ベネチアを訪れたすべての人が行く場所が、サン・マルコ広場だと思う。
日帰りツアーの人も、滞在型の人も必ず行くのがこの場所。
映画やポスターで何度も目にしてきた場所。これぞベネチア。
では、サンマルコ広場にすごいスポットがあるかと言えば、実は特にない。
サンマルコ広場にあるサンマルコ寺院を見学しても、イタリアによくある寺院のひとつで、特別な気分にはならない。
ナポレオンが、「世界一美しい広場」と言ったとされるが、美しいと感じるのは広場そのものではないと思う。
広場から海に向かって歩くと、2つの高い柱が建っている。その上には、聖マルコと羽がある獅子の像が置かれている。
昼間は青空をバックに爽やかに海風を浴び、サンセットではオレンジ色に染まっていく。
この美しい高い柱が海の玄関だ。
そこから視界が開けて、白く美しいサンタマリアノヴェッラ教会が見える。そしてたくさんのゴンドラが桟橋にならんで、ゴトンゴトンと波に揺られているのが見える。そのドラマチックな景色が美しいと感じるのではないかと思う。
そしてこの景色こそがベネチアのハイライトといえる。



訪れたのは11月で、ややオフシーズンのはずだが、ベネチアはものすごい数の観光客であふれかえっていて、夕暮れ時には、信じられないくらいの人数が、波際から美しいサンセットを眺めていた。
ベネチアの美しさは、サンマルコ広場からの海辺のサンセットを見なくては語れないと思う。
今回の滞在では、ホテルがサンマルコ広場そばの「ダニエリ」だったため、朝も昼も夜も何度もここからの景色をみたが、夕陽の時間が最も美しく、記憶に残る心にしみる風景だった。
ここからゴンドラに乗って多くの人が観光に向かっていた。
ベネチアは、まさに水の都のテーマパークになっていて、ここからのサンセットは、世界中の観光客の心をつかんでいた。