人生のデザイン術

僕は人生をデザインしています!と彼は言った

 

20代の頃、このままで終わりたくないと思い始めた頃、興味が持てることには何でもトライしてみようという時期があった。

その頃に出会った知り合いに誘われて、あるセミナーに参加した。

その時のセミナー講師の男性は、セミナーというイメージからかけ離れた、ラフなロン毛の同世代のサーファーだった。

スーツを着たおじさんが講師だと思っていたので、予想外に若くて自由な雰囲気に、少しホッとした気持ちになった。

 

そんな彼の第一声が、

「この中にデザイナーの人はいますか?」だった。

(自分だ)と思ったが、黙っていた。

 

「そしてあなたは何をデザインしていますか?

服ですか?ポスターですか?車ですか?」

(自分はポスターとか、リーフレットとか)と思い浮かべた。

 

次に、「僕もデザインしています!」

(デザイナーなの?何の?)心でつぶやく。

「僕は、僕の人生をデザインしています!!」

 

【人生をデザインしている】

こんなカッコイイ、こんな羨ましい、こんな意味不明な言葉を聞いた時、困惑しながらも、瞬時に興味のセンサーが反応したのを覚えている。

 

そして、時間と収入を手に入れてハワイに長期滞在したという、真っ黒に日焼けした彼が、自分のライフスタイルについて語り始めた。

ハワイの素晴らしさ、楽しさ、自由さ、しかももうすぐサーフィンをするために西海岸に移住するという。

そのライフスタイルや彼の雰囲気は、今まで会った人にはないもので、彼のスピーチを聞きながら、そういう人生にしてみたいと、沸々と興味が湧くのを感じていた。

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ひょっとしたら、あの時の自分がすでに50歳を過ぎていたら、同じ話を聞いても醒めた気持ちになっていたかもしれない。

羨ましいと思っても、新しく何かにトライしてみる気分には、ならなかったかもしれない。

 

でもその時の出会いは、「自由になりたい」「自分らしく生きたい」と願う若い魂が、「どうせなら、一度きりの人生なら、自分自身の人生を、自分らしくデザインしてみたい」と、小さな希望の光を見つけた瞬間になった。